映像受賞者インタビュー
中川寛崇さん
インタビュアー:岩城 昌治
インタビュー日時:2016年7月22日(金)
岩城:
早速ですが、「カエルのうた」という作品で数ある動物がいる中、「カエル」という動物を選んだのでしょうか?
中川:
作品のテーマとして、主人公が探し物をするというストーリーであって、普段目にするような簡単に捕まえられそうな、だけど、意外と探そうとすると見つからないという微妙なラインな動物ということでカエルを選びました。
岩城:
この作品の撮影を通して自分の中で変わった意識や見た人には、どのようなメッセージで受け取って欲しいでしょうか?
中川:
今回の作品において、二人の主役を選んだのですけれども、その二人共が感性の違う二人であって、夢を見続けていくか現実を見て生きていくという二人を、自分の映画を撮って発信していくというものを、どうやってその壁を乗り越えて自分の求めているものを表現することができるのか、という考え方を二つに分断させて表現した人物なのです。自分自身もこの作品を通して、最終的な答えは何なのかというのを模索しながら作り上げました。
岩城:
なるほど、それでは学生時代に撮影していて求めていたことと、実際に社会に出てから経験した予想外なことなどあれば、教えていただきたいです。
中川:
そうですね。卒業してから作品を作るにおいて、まず仲間集めが大変だということを実感しました。やはり、卒業してから各々仕事に就いているので、皆が忙しくなっていくのと、学生だからこそ許されていたという意識も自分の中であり、そこでまた責任も持たねばならない厳しさも増えていくという難しさはありましたね。
岩城:
学生時代とは、また異なる難しさというものがあるのですね。自分も、同じ業界に興味があるので覚えておきたいです。では、卒業してから社会人としてやっていくということについての覚悟や、これから変わっていこうとして思うことはありますか。
中川:
プロとアマチュアの意識の違いというのもありますが、自分が作り上げた作品にどこまで責任を持てるかというのと、その作品をどのようにいろんな人に見ていただける場所を作り上げていくというのが、とても大切ではないかと思いますね。
自分の作品を見てもらって良い意見や、もちろん悪い意見も出てくると思うのですが、それでこそ作品の価値というものが出来てきて、実際に自分でも視覚として感じ映像という専門分野を活かし、その価値を広げていけたら良いと思っていますね。
岩城:
では、自分の中での映像制作の楽しみというものを教えていただきたいです。
中川:
まず一つとして極端に言うと、映像の世界で自分も考えている世界観というものを作り上げられるというのも魅力でありますね。それで、どんなものづくりも楽しいと思える人との関わりや撮影するごとにおいて、初めて関わっていくというのが魅力であり楽しさですね。
岩城:
自分も様々な人との関わりは、とても楽しいと思います。ところでですが、そもそも映像関係の世界に関わろうとしたきっかけとは何でしょうか。
中川:
もともと、自分は劇団ひまわりで子役をやっていて、もともと俳優業に興味がありました。そこで様々な舞台やテレビ局の裏側を見るようになり、裏方の方にも興味が湧き、高校時代に友人と制作した映画を通して魅力を感じ今に至ります。
岩城:
また違う観点から、携わるということですね。では大学4年間で学んでいたことは何でしょうか。
中川:
自分のこの4年間の大学生活では、仲間との撮影の大切さを学びましたね。
自分よがりの監督という考え方でしたけれども、仲間と関わるということ で自分には無いものを得るということで、また新しいものが作り上げたり、 魅力が出すことが出来るようになったと思います。
岩城:
仲間の大切さを学んだということですか。では、授業等で特に学んだことは何でしょうか。
中川:
シナリオを制作するにおいて、コンセプトや伝えるメッセージなどを考える授業を集中的に学び、人物研究の大切さや人をどのようにしてみて作品にどう反映させていくかというのを、授業の中で学びましたね。それは今の社会生活にも活きていると思いますね。
岩城:
ちなみに大学時代の一番の思い出は、どのようなものでしょうか。
中川:
いろいろ楽しいことはあったのですが、真面目にいうならば、授業の中での映画製作で友達とやってきたのが一番ですね。日活撮影実習などで、班は変わってしまいますが、今まで関わったことがない人と関わって、一つの作品を作り上げるというのが高校の時でも味わえなかったので思い出でありますね。すごく硬いことなんですけども(笑)。
岩城:
それでは最後に自分を含め、後輩たちへのメッセージなどをお願いします。
中川:
皆さん、授業とかサークルの中とかで撮影して編集して作品を作り上げるということで勉強していると思うのですけれども、それと同じくらい大切なのが、実際に上映して様々な人から意見をもらって、良い意見や悪い意見を自分の中でちゃんと受け止め、次の作品に活かせるような作品作りをしていってください。それからちゃんと人に見てもらうというのを意識して、文化祭のようなノリではなく、また違う感覚というのを持っていると付加価値としてまた別の表現方法が身についてくると思いますので、そのような心を持って作品作りを心がけてください。
岩城:
ありがとうございます。ではこの大学を目指す高校生にメッセージもお願いします。
中川:
メディア学部の魅力は、監督や撮影などの分野を問わず、一通り勉強してから自分の好きな進む分野も決めれるというのが強みですね。
先生方や学生方との関わりで舞台や映画などの作品作りに整った大学ですので是非オススメしています!