教えて!先生 vol.1伊勢直弘先生

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 城西国際大学メディア学部メディア情報学科映像芸術コースでは、エンタテインメントの世界で活躍しながら、非常勤講師として教えて下さっている先生がたくさんいらっしゃいます。まさに、私たちが目指すエンタメの世界で成功を収めつつ、その知見を教えてくれる非常勤の先生たちは、私たちのあこがれです。そうした先生方に、お仕事やこれまでの経歴について、お話をインタビュー形式でお聞きする「教えて!先生」をシリーズで展開していきたいと思います。

 第1回目は、「ハイブリッド・アミューズメント・ショウ bpm」を立ち上げられ、さらにいま話題の「2.5次元ミュージカル」をはじめとした、数多くの舞台作品の脚本・演出を手掛けておられる伊勢直弘先生です。伊勢先生は、メディア学部では演劇の実技の授業を中心に教えておられ、多くの学生が伊勢先生の手ほどきを受けて演劇の魅力にハマっています。

-どういったきかっけで、本学で教えられる教員になられたのですか?
 教え始めて今年で七年目なんですけど、2013年に当時准教授を務めていらっしゃった方からお声がけいただいて、僕もプロダクションのワークショップとかで若い人たちを指導をしていたこともあって、よりディープに、より密接に若い可能性を持った方々に接したいなと思って、お受けすることにしたんです。

-2.5次元ミュージカルの脚本や演出としてご活躍される中で生徒を指導するのは大変ではないですか?
 確かに大変ではあるけれども、学生から影響を受けたり、学んだりすることも非常に多いので、とてもやりがいがあると思っています。

-メディア学部の学生から何か影響を受けたことがありますか?
 講師を続けてきて分かってきてることがあるんだけども、学生の発見の仕方とか行き着き方。どうやったら知識を与えられるかじゃなくて、どうやったら学生たちが(自分たちで)発見をしてくれるんだろうってところが大事だと思っています。僕自身、あ、なるほど、こういう教え方よりも、こういう伝え方のほうが遠回りだけど、自分たちで理解をしてくれるんだなとか、そういった伝え方を毎年学ばせてもらっています。そうして出来た引き出しの中身を、次の年の学生にぶつけていきたいと思っています。

-教員紹介のページに、「『講師がどんなことを提示するのか』ではなく『学生がどんなことをキャッチするのか』を大切に」と書かれていますが、先生の授業では具体的にどのようなメソッドで伝えているのですか?
 文字通り、具体的に正解を教えるよりも気づくまでの道筋を作ってあげることに重きをおいてます。こういうやり方をしてごらん、じゃなくて、こういうやり方をやっていったら、結果はどうなると思う?っていうふうに最後は自分の答えを見つける、考え出せるっていうことが大事ですよね。やっぱり、自分たちで考えて発見することで、学生たちにとって忘れない知識として根付いていくので、そういうところを大事にしています。

-それは伊勢先生が務められた舞台やミュージカル等に通ずるものがありますか?
 そうですね。ミュージカルも、答えが出るまで向き合って、出てきた答えをちゃんと形にしていくという作業は多いし大事だと思います。

-先生は大学で経済学を勉強されて、会社勤めを経て劇団へ入られたとお聞きしていますが、大学ではどういったことを学び、またどのように演劇の道へ進まれたのですか?経済学と演劇は、遠いような気もするのですが。
 これがね、学生時代真面目に授業に出てなくてですね(笑)。だから、普通に経済学の授業をやっていて、一般の企業に就職したんですけれども学生時代に少し舞台をやっていた経験があって、サラリーマンの3年目くらいかな、当時の仲間がやってる舞台を見に行って、あぁ自分もやってみたいなと思って、すぐ退職願を出しまして。

-そのときに入られた劇団(インタビュアー注:劇団「X-QUEST」)に学生時代のご友人がいたと?
 そうですね。はい。

-そのあとbpmを立ち上げたのも?
そこまで至るまでに色々な知り合いが増えていったり、気の合う仲間が増えていったりとかっていう中で、たまたまタイミングが合って、じゃ一緒にやろうかって結成した仲間たちと始めた感じですね。考えることと楽しむこと、このことをやっていたら、今に至ったという感じです。

-メディア学部生、メディア学部を目指す高校生に対して伝えたいことはありますか?
 メディア学部というのは、学校とはいえ、自分たちで何もないところから道を作っていくような学部だよね。そういう時、何も考えずにのうのうと過ごしていたら、あっという間に何も得られずに終わってしまうので、何事にもやる気と集中力を持って取り組んでみて欲しいですね。高校生の皆さんには、4年分のやる気と集中力を貯めてストックしてから、来て欲しいです。

-本日はお忙しいなかありがとうございました。
 ありがとうございました。

インタビューを終えて
インタビューは「プロジェクト研究」という授業の間の休み時間に行ったものでした。授業では、小説のシーンを使ってYESとNOの立場に立って議論をするという内容のもので、演劇の授業なのにお芝居ではなく議論をしていることが新鮮でした。あとで伊勢先生に「演劇の授業なのに変わっていますね」とお話ししたところ、「想像力で補うのが役作り。その創造力を養うためにやっているんです。」とのことでした。このような、通常の授業ではなかなか見られないメソッドを取り入れていらっしゃるのも伊勢先生の人気の秘密なのだろうと思いました。(インタビュアー:もぐ)

伊勢 直弘(いせ なおひろ、1972年3月21日 – )
日本の脚本家、演出家、俳優。城西国際大学メディア学部講師。北海道札幌市生まれ、埼玉県川口市育ち。血液型B型。舞台を中心に、ラジオやテレビ、イベントの構成・演出などの活動をしている。ダンデライオン所属。
wikipediaより)

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