寮から最も近いスーパーが改装中だなんて、誰が想像できただろうか。加えて、近隣のお店も全て営業時間が終わってしまった。私と友人は頭を抱え、途方に暮れた。近くでは鳩が道に落ちているパン屑を啄ばんでいた。
クロージングセレモニーを終えて、私と同室の友人は夕食を自炊しようと考えていた。今夜開催されるダンスナイトパーティーでは食事が出ないことを知ったからだ。初日にフライパンを入手した私たちは、時間と食材があれば自炊していた。アイスクリームとパンを使ってフレンチトーストを作ったり、ハムを焼いたり。お陰で充実した食事ができていた。
途方に暮れた私たちは、ひとまずバスの中から見えたスーパーマーケットを目指すことにした。ハンガリーについて事前に調べていたそのお店は、今までに通っていたスーパーマーケットと雰囲気が違っていてとても楽しかった。
(田畑 奈優)