今日は、ハンガリーの民俗音楽の初回授業でした。
午前中の授業では、主にハンガリーの音楽の歴史について学びました。村文化の中で培われた音楽は、19世紀以降、ピアノの流入により本来の形があやふやになりました。しかし、録音技術の発達により村の音楽が記録され、民謡の特徴をきちんと生かしたオーケストラなどの曲が作られるようになったそうです。その後、ハンガリーのポピュラー音楽は近代化していきましたが、電子楽器をとり入れたり、ジャズと民謡をミックスした音楽が登場したりなど、懐古主義的な側面も見られるようになったそうです。
この授業で私が心に残ったのは、村文化の説明の中で「良い環境とは言えないような狭い村の中で生まれ、その中で死んでいくとしても幸せだった」とおっしゃっていたことです。異文化交流に価値を見出してこの研修に参加しましたが、この言葉を聞いて、自国の文化を知り、卑下せず受け入れることが文化の発展の土台となるのだと思いました。その上で他国の文化を受け入れることが、独自性を失わず、時代の流れについていける文化を作り上げることに繋がるのではないかと思いました。
(永田 雪恵)